啓 示 ~風がはこぶもの~

風がはこぶもの

 

やがて、天がいなびかり

塵をまきちらし

人々を苦しめる

 

その塵を吸い込んだ者は死にいたり

死にいたらぬ者の多くはすえながく病に苦しむ

 

吐き気、気怠さ、悪寒吐血、めまい、頭痛毛は抜け落ち、

歯はかけ涙はとまらない

 

月の満ち欠けも分からなくなる

 

やがて人々は呪いにかけられたように死にはじめる

 

小さき者、弱き者より最初に

強き者、強靭な者ほど痛ましい光景をまのあたりにするだろう

 

人々はその悲しみに気も狂わんばかりになるだろう

 

だれが彼らを救うことができる?

 

医者もサジを投げる

薬もきかない

祈る言葉だけがつぶやかれる

死者を葬るけむりは後を絶たない

 

その悲しみのけむりで空は覆いつくされるだろう

 

だれが彼らをなぐさめることができるというのだ?

 

人々は神は失われたとさけび

愛はついえたとなげき悲しみ

希望は失われる

 

だれもがこれがこの世の終わりと思うであろう

 

そのとき、

 

一羽の白い鳥がとぶ

 

その鳥がとぶのをみる者は多い

ただその鳥が何者なのかを知る者はいない

 

鳥がとび、死者がよみがえる

死に絶えたはずの者が起き上がり

恋人たちはふたたびめぐりあう

 

赤んぼうは息を吹き返し、母の胸元に抱かれ

母は自分の息子たちが自分の膝元に帰って母の名を呼ぶのを聞く

 

だれもが新しい時が始まったことを知る

 

しかし、失われた物はふたたびよみがえることはない

 

すべてはついえ

すべては清浄へとかえり

ふたたび私のもとへ戻るのだ

 

私のもとにもどる者は清浄へと導かれるであろう

 

そこは永遠のやすらぎの場でもある

 

やがて、そこにたどりついた人々が目にするのは

 

すべての時の始まりと終わり

久遠の、終わりのないきらめき

 

そして知る

 

絶えることのない時の彼方にある自分たちの真実の姿を

 

そこへたどりつく者は少ない

 

だが、私の声を聞き、

それに導かれる者は必ずそこへたどりつくであろう

 

だから、

どんなときでもゆるぎない信頼をもって、私の声を聞きなさい

 

私の声は小さい

私の声に耳をすまし

私の声を聞き分けなさい

 

汚れのない、すみきった心で私を受け入れ、私をまちなさい

私を信じることがあなたの心の汚れを拭きさる

 

にごりのない、まっすぐな心で私を受け取りなさい

私を信じる者だけが時の終わりに私と出会い、私とともに歩む

 

私の歩みは速い

私を見失わないようにたえず目をみはり、私を見つめていなさい

 

私はあなたがたとともに歩むが

あなたがたが目をそらしたその瞬間にあなたがたは私を見失うだろう

 

だから、だれの声にも心を奪われることなく

何の声にも心をゆり動かされてはならない

 

私の声だけに集中しなさい

私の声だけを求めなさい

あなたのすんだ心にだけ、私の声は響く