Q & A

 

Q 「月の満ちかけも分からなくなる」とはどういうことですか?

 

A それは、人々は、空を仰ぐことがなくなるからだ

  地上は荒廃し、夜、出歩くものは夜盗のたぐいで

  多くの心ある人々は地下に生活するか

  もしくは家の窓ととびらを閉め、外出しなくなる

  月が満ちたのか、かけたのかなど  気づく者はいなくなる

 

 

Q 「失われた物はふたたびよみがえることはない」とは  どういうことですか?

 

A 分かるだろう、肉体はかえらない

  肉体の次元は終わり  肉体の生は終了するのだ

 

  そのときに肉体をもっていた者ももっていなかった者も

  同じに肉体の感覚、観念、執着、記憶、そのようなものをなくす

 

  肉体にとらわれていた生活は終わりを告げ

  肉体をもつことのない新しい生を迎えるのだ

 

  死者は起き上がり、ふたたびめぐりあう

  心につくられていた障壁はやぶられ

  歓びの内に互いに抱き合う

 

  人々を隔てていたものが取り除かれたとき

  人は自らの内にあった幻想に気づく

 

 

 

Q 肉体の世界はどこにいくのですか?

 

A 私が与え、くりひろげられていた世界

 

  幻想は私のもとにかえり

  そこで演じられていたことがら

  そこで味わったもろもろの感覚

  そこで親しんだ感触

  それらすべては清浄へと導かれ  永遠に清められる

 

  あなたがたのしたことはむだではない

  そのものたちの清められるよろこびは大きい

 

 

Q 「永遠のやすらぎの場所でもある」ところに行くのに、

  どうして苦しまなくてはならないの?

 

A 苦しみは憎しみをもたらす

  憎しみを心のなかから消すことは、とてもむずかしいことだね

 

  人々の心のなかに憎しみが燃えたぎり

  また新しい苦しみと憎しみを生み出している

  苦しみに心がおおわれ、憎しみにとらわれているとき

  心は安らぐことをしらない

 

  心から憎しみが消えてはじめて  人々の心に安らぎがおとずれるのだから


  安らぎとは  心が苦しみにおおわれ、憎しみのとりこになって

  そこから解放されたときはじめて味わう感覚なのだよ

  最初にあったものではないのだ


  解放の喜びを味わうには、荷を負わねばならない

 

 

 

Q 汚れのないすみきった心でどうやって「私」の声をきくの?

  信じれば聞こえるの?

 

A そうだ。信じれば必ず聞こえる  そして切望すること!

  自分自身の思い込み、身勝手さが心から取り除かれたとき

  おまえは、もはや私の声を聞いている

 

  そのとき  おまえは「私の声」を

  自分の声として内から湧き起こる  内なる声として聞くだろう

  それは自分自身への信頼によるものだ


  自らを受け入れ、自らを愛し、自らを切り離す者には  「私の声」が聞こえる

  自らの内から湧き起こる愛の感情を信頼する者は  すぐにでも私の声を聞く

  いやもはや、すでに聞いている

 

 

  私の声はバラの花の香り

 

  ほほえむ子どもたちの瞳のなかに

 

  虫たちの喉をうるおす  夜露のひとしずく

 

 

 

 

Q 信じない心はにごっているの?

 

A 信じない心がにごっているのではない

  にごっているから信じられなくなっている

 

  にごりを取り除けば、自ずと信頼する心が湧き起こってくる

  信頼ははじめから人の心にあった

 

  人はその身勝手さゆえに信頼を曇らしている

 

  自らの心に起こってくる歓びに素直であればあるほど

  にごりは取り除かれる

 

  自分が歓びにうちふるようなことをしなさい

  いつでも自分が歓べることをしなさい

 

  本当に自分が歓ぶことを知っている者だけが

  信頼ということを知ることができる

 

  自分自身を偽ることはできない


  自分が自分を信頼することができたとき

  人は人を信じることができる

  自分を超えた偉大なものを信じ  愛することができる

 

  まず、自分を信じなさい  そして愛しなさい

  そして、自分にさよならを言いなさい

 

  別れの悲しみは、新たな信頼を呼ぶ

 

 

 

Q 私は結局独りだ、誰とも分かり合えないと思うのですが。

 

A そうだね、人は心を閉ざしているときに、よくそういう思いにとらわれる

  私はそのことについて何も言いたくないな

  なぜなら、その状態を造りだしているのはお前自身だからだ

 

  私の言うことなど聞くまい  誰の言うことにもおまえは同意しないはずだ

  自分は誰の意見にも同意しないぞ、と心に決めているからだ

  それはそれでいい。そうやって生きていきなさい

 

  自分が孤独であることを選んだのだから、その孤独を味わいなさい

  独りぼっちであることに涙しなさい

  泣いて泣いて泣きあかした末に、自分が孤独でなかったことに気づくだろう

 

  自分は独りだ、独りぼっちだと言って泣きわめきなさい

  自分の感情を抑えないで、どうして独りぼっちなんだとなげき、怒りなさい

 

  やがて、自分が一番ほしいと思っていたことが何なのか分かるから

 

  それから私の元へ来なさい

 

 

 

 

Q これから起きることを思うとやはりつらいし、

  自分や自分の回りとかにそのようなことが起きてほしくないと

  感じてしまうのですが…

 

A たとえどんなに悲惨な運命が待ち受けていようと、勇気を持って受け入れなさい

  たとえどのような状況にあったとしても、

  真実、人が欲するのは愛なのだよ

 

  どのように過酷な運命のなかにあっても

  人がほしいと願うのは

  お金でもなければ地位でも名誉でもなく  愛なのだよ

 

  地位を欲し、金を求め、認められることや所有の欲望の果てに

  結局、自分が真実ほしいと思っていたものは

  実は、一番身近な人たちと

  愛し  愛されていたことを確認したいと思って生きてきたことに気づくのさ

 

  これから起こることはつらいかもしれない

  哀しく悲惨で目をおおいたくなるだろう

  もし、それがわが身の上に起きたらと思うと

  愛する家族がそのような不幸に落ちたらと思うと

  身を縮めて恐ろしくなるだろう

 

  けれど人々はそのなかにあって  懸命に生きるはずだよ

  懸命に生きるなかにこそ  真実の愛を知るチャンスがある

  お金や欲しいものが失われ  手に入らなくなって

  地位とか名誉とか  人よりもよくなりたいと思っても

  認められる場所を失ってはじめて

  自分が一番大切にしたいものが分かってくるんだよ

 

  だから、人々に襲いかかる不幸は その人その人に必要なことだと感じて

  あたたかく見守ってあげなさい

 

  決してその不幸が自分の上にふりかかるのではと不安に思ってはいけないよ

  自分の愛する家族に襲いかかるのでは?と心配してはいけないよ

  必ず愛を信じて、お前たちのなかには誰にでも愛があるのだから

  どのようなことが起こっても  愛はおまえたちのなかに宿っているのだから

 

  不幸が起こってもなげき悲しんではいけないよ

  哀しむことなく、ありのままを受け入れなさい

  そして、そのなかで自分でできる最善のことをしなさい

  苦しむ人の手助けをしなさい  希望を持ちつづけなさい

  哀しんではいけない

 

  自分のなかに宿る愛を信じて  明るく振る舞いなさい

 

  笑顔を絶やしてはいけない

  そのなかで人々とともに懸命に生きなさい

 

  生きること、そのこと自体が救いなのだよ

  生き続けること  そのこと自体が愛の行為なのだから

 

  お前は生き続けなさい。

 

  恐れることなく  勇気を持って

  誰よりも強く  生き続けること

 

  そのことがおまえの愛そのものなんだよ

 

 

 

 

Q 愛が重要であることはわかるのですが、愛というものが分からないのですが。

 

A 愛は、いま、ここにある  存在そのものが愛だからだ

  愛はあふれている、おまえたちのなかに

  そして、十分にそそがれている

  ただ、それを感じるか感じないかだけだ

 

  それをどうやって感じたらいいのだろうね

  みな、感じたいと願っているし、愛されたいと願っている

 

  どうして感じられない?  どうして愛されていると思えないのかな?

 

  それは、愛も、幸せも、素晴らしい人生も

  ナイスでラッキーな環境も  自分の手で造りだそうとするからなのだよ

 

  いま、ここにいる人々と愛し合って  いま、ここにある境遇を幸せと思って

  いま、過ごしている人生を

  たとえ劣悪だろうと  いま、ここにある環境を好きになれば

  愛されていることに気づく

  幸せをいつでも感じることができるのだよ

 

  自分で一生懸命作りだそうとあがかないで

  それがどこかにあるのでは?と探しにいかないで

  そんなものはないんだと絶望しないで

 

  いま、そばにいる父、母、兄弟、姉妹、友だち

  夫、妻、子ども、となり近所、同僚たちに

  いまの時間を一緒に過ごしてくれてありがとうと言えばいいんだ

 

  みな、それぞれ自分の人生を過ごしているのだけれど

  いま、この時間を一緒に過ごしてくれていることだけは確かだ

 

  それだけで少なくともおまえは独りぼっちじゃない

  この世界に独りぼっちじゃないってことだけは確かだ

  独りぼっちじゃないってことで、とりあえず(まる)だ

 

  どこまで行っても人っ子一人いない世界は、耐えられないと思うよ

 

  「自分には何が必要で、何が足りないのかな?」

  おまえたちはいつもそういう考えにとらわれている

 

  自分の好きなものは大切にしたい  自分の気に入らないことはしたくない

  自分にふさわしいことを見いだしたい  足りないと感じるものはおぎないたい

 

  そうだな  その考えを一度やめてみないか?

 

  必要なことがらは何もない  足りないものも何もない

  すべてはここにある  ここにある存在することがすべてだ

 

  だから必要なことも、足りないものも…ない

  すべては、ここに満たされているから  これ以上もないし、これ以下もない

 

  ここが “すべて” だからだ

 

    分かったかい?